巻き爪の治療法には、保存的治療と外科的治療の2つがあります。
一般的な巻き爪治療は保存的治療
保存的治療とは爪を矯正してもともとの形に近い状態に戻す治療法です。体への負担が少ないのでおすすめの治療法です。
爪の変形を防ぐ為に抜爪(ばっそう)は行わず、指の肉に突き刺さった爪を部分的に除去して爪を真っ直ぐ伸ばしていきます。
<病院での保存的治療一覧>
- ワイヤー法
- テーピング法
- 爪アイロン法
- 人工爪
- 副木法
- VHO法
<自宅でできる保存的治療>
あまり知られていませんが、自分でも巻き爪の矯正はできます。
やり方は簡単で、巻き爪に「巻き爪ブロック」という機械をつけるだけです。
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巻き爪症状が重い場合は病院で外科的治療
保存的治療をしても巻き爪の再発を繰り返したり、矯正できないほど高度な陥入爪だったり、肉下種ができて指の肉が盛り上がったり、巻き爪の痛みで歩行が困難になった場合には、外科的治療を行います。
外科的治療とは手術により巻き爪を改善させることです。病院は、形成外科か整形外科で行います。
外科的治療は健康保険が適用され、再発もほとんどおこらないのが最大の利点と言えます。
<外科手術の方法>
- フェノール法
- 鬼塚法
- 小島法
- 他
巻き爪手術によって抜爪をした場合は、爪の形が変形してしまう可能性が高いので、気になる方は一度専門医に相談してみましょう。
巻き爪手術のフェノール法とは
巻き爪手術にはいくつか種類がありますが、変形が著しい場合は、フェノール法がよく用いられます。
爪の根元の爪母(そうぼ)に麻酔をしたのちに、皮膚に突き刺さった爪を切除して根元から抜爪(ばっそう)し、爪の生える元をフェノールという薬品で処理をします。
<フェノール法が有効な症状>
- 皮膚への爪の食い込みがひどい
- 炎症がひどい
- 膿がたくさん出る
- 肉芽腫ができている
巻き爪や巻き爪が原因の症状が多少ひどくてもできる手術方法なので多くの重症巻き爪患者に使われる術式です。
フェノールという薬品は、皮膚に触れると薬傷を引き起こす性質があり、塗布した部分の爪母を死滅させます。
手術には麻酔を用いるので、術中の痛みが無く、出血も少なく、術後の痛みが少ないのが特徴です。しかし、劇物を使用するので、糖尿病の人や、虚血肢などの末梢血行不良な人は適応外となります。
手術後は、当日から入浴できますので、患部をシャワーでよく洗い流し、毎日清潔にするよう心がけましょう。入浴後は、外用剤を塗り、ガーゼで保護する処置をだいたい1週間程度行います。
手術後は数日、運動は控えて、きつい靴などで患部を圧迫しないように気を付けましょう。
巻き爪治療の後の生活指導とは?
巻き爪の保存治療後に最も注意すべきことは、毎日シャワーでばい菌を洗い流して足を清潔に保つことです。
患部から膿や汁が多少出てジュクジュクしていたとしても、お風呂に入り暖まると爪や皮膚が柔らかくなり爪の発育にとても効果があります。
また、身体が温まることによって血流が改善され、足の指先にまで血液が巡り、爪の成長に必要な栄養成分が行き渡ります。女性に多い症状の浮腫みも改善され、巻き爪の皮膚への食い込みが軽減されます。
タオルで水分を拭き取り傷口消毒薬で患部の消毒をしましょう。消毒したあとは救急絆創膏などで指全体を覆うと蒸れてばい菌が増殖するので、傷を覆わないか、通気性のある薄いガーゼをあてる程度にしてください。
爪が真っ直ぐに伸びるまでの間はハイヒールなどの先の尖った靴は爪の発育を妨げる原因となりますので、できるだけ窮屈な靴は避けるようにしましょう。
健康に伸びてきた爪を切る時は両端の角を残したスクエア型に切り、深爪しないように注意しましょう。
万が一ばい菌が入り炎症が起きた時や、赤いできものができた時は自分で勝手に治療せずに、ただちに病院に行きましょう。